【MV】薄雪草の追憶。/Merina. feat.ナースロボ_タイプT
椿.曲詳細
あの夏の思い出を。 「The VOCALOID Collection 2026 Summer」参加楽曲 Music,Lyrics,Movie,Illust:Merina.(https://x.com/tsubaking_dot?s=11 ) Vocal:ナースロボ_タイプT(UTAU,VOICEVOX) Chorus:ゲキヤク 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ____私が幼い頃の夏の事だった。 私のおばあちゃんから聞いた話。 この町の昔から伝わる都市伝説。 晴天の砂浜で祈りを捧げると、自分にしか見えない亡人の姿に出会う事ができるという。 そしてその姿の手に触れてしまうと、もう二度とこの世界に戻ってこれないんだとか。 私は当時、作り話だと思ってその話を信用せずに聞き流していた。 あれから時が経ち、今から3年前の夏。 中学生だった私には最愛の友達がいた。その子と一緒に海に遊びに行ったところ、不運にも海難事故に巻き込まれてこの世を去った。 あの悲劇は脳裏にくっきりと焼きつき、今でも鮮明に覚えている。 そして今。 あのおばあちゃんが話していた都市伝説を思い出した。 もう、あれからあの子の事が頭から離れられないのだ。 あの子以来、日頃から遊べる友達とか作ってこなかったし、今までの思い出はあの子と関わった事だけしか覚えてない。 いっそあの子と同じ場所へ行こうと、命を断とうとさえ考えたこともあった。でも死ぬのは思ったより怖くて、結局3年間のうのうと生きてきた。 でもあの子の姿にもう一度出会えるなら。あの思い出をもう一度掘り起こせるなら。あのおばあちゃんの言うことを信じてみても良いかもしれない。 私はこの町の都市伝説を信じることにして、もう一度あの子の姿に会おうと決心した。 翌日の朝。私は家の近くの海へと訪ねた。 「晴天の砂浜で祈りを捧げる」 今日は雲のない晴天だ。祈りを捧げるには十分な青さ。 私は目を閉じ、目の前にあの子が立っているのを連想し、ぎゅっと両手を握っていた。 ...20分くらい経ったのだろうか。強く握った手はもはや感覚すら無くなっている。 深く自分の願いを想像する。教えにはそんな文章もあった。ここまで想像していれば、きっと深くまで入れているだろう。そう思い込んでいた。 私は少しだけ、目を開ける。 あれ.... これは.........? 目の前に、あの子がいる、? 今まで目を閉じてあの子のことを暗闇の中で映していたのが、目を開いていてもあの子が未だに視界に存在している。 私はよろよろとゆっくりその姿へと近づいた。 「...................!!!!」 目の前であの頃の彼女が私へと語りかけてくれる。...なにも聞こえない。 当然。あの子はもう死んでいる。この子を見る事ができるのは私だけなのかもしれない。なんの音も聞こえないのは必然的な事だと思う。 でも、今の私にはもうどうでも良かった。 今はこの子と再び思い出を作れるという喜びに浸っていたかった。 ...ほんとうは彼女に思い切り抱きつきたかった。 でも、「その姿の手に触れてしまうと、もう二度とこの世界に戻ってこれない」 おばあちゃんはそんなことも言っていた。 もうこの世界に戻ってこれない?この言葉は一体何を示唆している?言ってる事が大雑把すぎてあまり理解できないが、取り返しのつかないことが起こるのは嫌なので、とりあえず彼女には触れないでおく。そういうルールを今だけは作っておくことにした。 彼女は私と歩いてくれた。走ってくれた。海を一緒に駆けてくれた。 一見するとただの友達との関わりに見えるのかもしれない。それでも私は人生で二、三番目くらいに楽しい出来事のように感じていた。 私と彼女が一緒にいると、一気にあの時の思い出がフラッシュバックしてくるのだ。最近の生活、出来事がまるで無かったのかのように。ずっと彼女のいる生活を過ごしてきたかのように。 いつの間にか、私の記憶が彼女のいる思い出に移し替えられていたかのように感じられた。 それでよかったのに。 ___もうあれから何時間も経っていると思う。砂浜でずっと遊んでいた私は疲れ切ってその場で座り込んでしまった。 彼女は私に対して"大丈夫?"と言っているかのように私の顔を見る。 私はそんな彼女の顔を見た。 え... . . . .. .. .? 彼女の顔はグロテスクに感じるほどぐちゃぐちゃになっており、もはや生き物とは思えないような形となっていた。 「うぐ...っ...」 "今までの思い出が全て作り物だった。" そんな風に思い込むようになり、私は大きくショックを受けたのか、その場で激しく嘔吐した。 それもそのはず。この彼女の姿はもう現実には存在しない。彼女がずっとあの時の姿でいれる、というのも断定できない。 私は痛みを感じた。現実という言葉があまりにも苦しくて、もはやこの世界からも逃げ出したくて。あの時のあの子とさえいれば、もうどこへだって行けるような気がした。 私は再びあの子の顔を見た。 薄雪草のような可愛らしく小さな顔。くりっとして太陽のように輝く瞳、優しささえ感じられるピンク色の唇、傷一つない薄橙色に少しもっちりとしているような肌。 その顔は、いつの間にかあの子の顔に戻っていた。 その子はまた、私に手を差し伸べてくれていた。 大丈夫だよ。一人で立てるよ。 ...あれ......。 私はいつの間にか涙を流していた。 一体なんの涙?彼女の顔が戻って、再び彼女と思い出を作れることへの幸せ?それとも彼女が手を差し伸べてくれることに対して応えることができない悲しみ? 再び、考え込んでしまう。 でも、もういいかな。 この涙の謎を解明させるために。 また彼女と再び笑い合えるように。 彼女の気持ちに応えられるように。 もうこの世界なんてどうでも良い。 二人で一緒に喜びを分かち合うためなら。 私は彼女の差し伸べてくれた手を握った。 彼女は見たことのないほどの笑顔を見せてくれた。 それに連なって、私も今までにないほどの笑顔を見せた。 いつの間にか私の視界には、桃源郷が広がっていた。 「これからも一緒に沢山思い出作ろうね。」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 Lyric: 「数多の運命の中で、一つの感情を殺めた物語。雲ひとつない空の下で、叶うはずのない愛を叫んでいた。」 朝、堤防を駆けた古い日の走馬灯。 揺れた胸の中であの記憶を探してる。 (嗚呼)停滞と潜在と感性の構成、倦怠と洗礼の解体の統制 意外性の存在と賛成の撤廃 離れた夢の足跡 行動と結末の乖離、身体の感覚の造形、公平と優越の関係、深海、展開、冥界 湿った現実と歪んだ水平線、望んだ現実が凍結し個体へ。枯れ木と標識で溢れたこの町で 空へと祈り捧げて。 断たれた夢を描いて、私は身に寄り添った。 映った情景が光へ巡らせ廻ってく。 差し出された手を取って、描いた夢に縋った。 視界の光景を瞳に写して、迷わぬように 「追憶という名の経験に浸る中で、飲み込み難い映像を何度も再生して、乖離された記憶のシステムの中で、私は自覚を覚えた。」 流れが黒に染まって、私だけ見失って。 視界の光景が理解を拒んで、荒んで 貴方は手を差し出して、また夢を映し出して 自分の現実も全てを殺して光った 冥界、理解、肢体、痛い、未来、期待、見たい、視界、 機会、額、以来、狙い、意外、地雷、嫌い、飛来、 今、似た、今、居た、否、理解、被害、思想、 今、未来、今、見た、今、光る、今、今、 今。 「数多の思い出の中で、叶わぬ喜びを叫んでいた。」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 #ボカコレ2026夏 #vocaloid #ナースロボ_タイプt
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