芥川龍之介の魔女 / IA
なぬりそ曲詳細
【歌詞】 「世界は、何で作られてゐるの?」 あいとぞう、それと些末なことだよ。 欲まみれの口は、忙しさうに歌つてゐる。 「世界は、君をなぜ厭がるの?」 おあいにく、それは些細なことだよ。 黴まみれの蝶は、口惜しさうに埃を立たせる。 「ねえ、魔法を教へてよ。」 そのかはり、にどと元には戻れない。 欲まみれの足は、物欲しさうに跳ねる。 でもさ、わかるかい? もしも魔女になつてしまへば、 近所のパン屋さんも、 もうお裾分けとかしちやくれないだらう? それは催眠の類 誰にだつてわかる種と仕掛け めつさうもない こんなもので身を滅ぼすなど あつてはならないことなのです いいかい? その可愛い欲は捨てるんだ 本當は怖い 君が絶望してしまはないか 想像もつかない 私が孤獨を斷ち切るなど あつてはならないことなのに きつと卑しい欲まみれの魔女だ 「世界は、何で作られてゐるの?」 QuarkやLepton、小さな魔神だよ。 欲まみれの口は、忙しさうに講釋を垂れる。 慘めな思ひをしたつて、 變へられない自分が居たつて、 河童は笑つちやくれない。 神の死體を見たつて、 即物を信じられなくたつて、 きつと さう廻つてしまつてゐる。 それは生活の類 誰にもわからない種と仕掛け 際限がない こんなもので身を滅ぼす奴らが 後を絶たないのです いいかい? その不安とやらで人は救へぬ 甲斐性もない 私が身罷る後の世界 想像もつかない 君が全て理解するなんて あつてはならないことなのに きつと虚しい目の當たりの世界 あゝ まだ君に教へたい ことがあつたな、なんて あゝ とても救ひきれない 欲まみれの 魔女だ 「魔法はなかつたね。」 愛と象、催眠の中ならよかつた。 灰だらけの腕は、訝しさうに劍を突きつける。 「もう、巨人が食べちまへ。」 おあいにく、恨む資格もないのだ。 傷だらけの首を、出來得る限り掴んでみた。 でもさ、わかるかい? もしも魔女がゐないとしたなら、 自分がこんな小さい、なんて 人々が知れることないだらう。 それは催眠の類 誰にだつてわかる種と仕掛け めつさうもない こんなもので身を滅ぼすなど あつてはならないことなのです いいかい? その可愛い欲は捨てるんだ 本當は怖い 君が絶望してしまはないか 想像もつかない 私が孤獨を斷ち切るなど あつてはならないことなのに きつと卑しい欲まみれの 「君は單に生命の類! 誰にもわからない種と仕掛け 際限がない こんなものを一人背負ふなど あつてはならないことなのです いいかい? その可愛くない意地は捨てるんだ」 ……本當は怖い 全て壞されてしまはないか 想像もつかない 魔法がきつと民を救ふなど あるはずのないことなのに まだ君に希望を託したままだ





