下校時刻/花隈千冬
樫本鳴葉Song details
下校時刻/花隈千冬 #15 いつまで覚えておけるんだろうね 飛行少女観測隊 https://twitter.com/kashimoto_meiha 放課後 帰り道の土手 どこかの学校から下校のチャイムが聴こえてくる 遠くで君が手を振って何かを叫んでいるけれど風に遮られて聴こえない こんなこと いつまで覚えておけるんだろうね 堤防はゆるやかな孤を描いてその先で川はやがて終わる 見たことのない海へ連れて行ってくれる電車の音 空に舞う風船 その色は光 見えないどこかの届かない距離で割れる音は聴こえない 熱に浮かされては散っていく日々とさよならまで続く台詞 季節を数えて呼吸する今を踏みしめて立っていた 草の匂い 落ちている空き缶 帰納法の果て 何光年も先の砂漠で化石になる ドロップスの缶 クッキーの箱 風邪薬の小瓶 永遠に来ないと思っていた消費期限の日付が本当に来るということに いつからか気づいていく 何度も何度も唱えた変身の呪文を忘れるように 何度も口ずさんだ歌を聞き流すように 毎日見ていた工事がいつの間にか終わるように 空き地に何が建っていたか思い出せなくなるように いつかすべてが終わるとして いつかすべてを忘れてしまうのだとして わたしたちは





