贖罪、宛名のない懺悔録、あるいはハラスメントの定義について、田中傘、ポエトリーリーディング
hitoiki曲詳細
(雑)談配信・ボカロ曲制作するモノです。まだよくわかりません。 スマホ内蔵スピーカーには最適化されていません。劇場音楽です。 いただいたマシュマロ https://x.com/hitoiki327882/status/2004194771129323629 X:https://x.com/hitoiki327882 note : https://note.com/hitoiki4105/ SoundCloud : https://soundcloud.com/hitoiki ー 私は私の私自身への理解と不理解を、そしてあなたへの理解と不理解を表明します 私が傷つけたとも、あなたが傷ついたとも言える曖昧模糊とした、この凌辱社会でありうべくして生じる関係性の話を私はしようと思います。すでにこの時点でわたしはあなたをまた傷つけたことに、わたしは今さらながら気がつくのです。他者は他者を恐れ、定型化された言葉、言葉を綺麗で無害な型にはめる力がますます強まっています。だから私たちがやろうとしていたことは、間違いなく、困難なことだったのです。私たちはそれを教わらなかったのですから。少なくとも私は教わりませんでした。 ここまで反省して、私は積み重ねた間違いにさらなる間違いを重ねてしまったことに気が付きます。私は自分の制御できなさを棚に上げました。もう恥ずかしいを通り越してわたしは私を許せません。私は有機的機械としての私にほとほと手を焼いているのです。私の有限性を、私は嘆きます。嘆いている場合ではありません。私は私の凌辱性に、暴力性に、強い嫌悪感を持っています。あなたを傷つけたことに、私は、また、繰り返してしまったと、自分のことを、あなたのことを、理解していなかったと、打ちひしがれているのです。 どこで間違えたんだろう どちらかが上、どちらかが下になって命令することされること、与えられた役割を演じること、もしくはボタンひとつで、あるいは共通の「好き」を通じてつまり同一性の中で互いに自由に絶望的に楽観的に振る舞うことに私たちは慣れてしまいました。いじめ、ハラスメント、ネグレクト、スポイルされ続け、学習の機会を奪われてきた私たちの弱さを、私は想像しているのです。そんな凌辱社会において、仲良しになること、それが関係性の絶対ではないが必要条件であることを、私は重く捉えていませんでした。 まだわかっていないみたいだ 嫌なことをされたらハラスメント、と簡単に言えるでしょうか。どちらかが被害者どちらかが加害者になれば話は簡単です。しかし、ハラスメントはどちらか、あるいは両方が学習の回路を閉じている状態をさします。つまり、コミュニケーションは、他者と同時に、自分の学習の回路が開いている時にしか成立しない、困難さ(クソゲー)なのです。ハラスメントとは、行為そのものであると同時に、構造でもあるのです。だからあらゆるコミュニケーションはハラスメントの可能性を持ちます。それでも繋がることができる可能性を信じて、私たちは綱渡りをしていたのでしょう。 僕は間違えたんだ この事実すらハラスメントに聞こえるでしょう。凌辱者が笑いながら近寄ってくるように。「私はあなたを理解している」と言わんばかりに。悪意を明るみに出さないように、私は言葉で悪意を隠しているということもできます。被害者ように振る舞う加害者もいます。凌辱社会に暮らす私たちは、人間に怯えているのです。コニュニケーションに耐えられません。相手の学習の回路が壊れているかもしれないのに傷つき続けてそれでもコミュニケーションを続ける重圧に耐えられるほど、私たちは強くありません。だから私たちは、離れるしかなかったのです。 互いの異質さを喜び合えなかったこの悲劇を、ホモサピエンスという汚名を背負い続ける私は繰り返すのかもしれません。その度に私はこの懺悔録を黒く刻み込んでいくのでしょう。 なかったことにしたくない この歌は私が大人でない未熟さであり、あなたを完全に理解できない私の不完全性であり独立性であり、私が私の言葉や行為の影響をモニターできていない私自身の未熟さへの絶望であり落胆であり自分に対する嘆きであり蔑みであると同時に怒りなのです。怒りは、何かを変えようとする強い情念なのです。 あのとき君の顔を、僕はみていなかった あらゆる状況がダブルバインド、洗脳、ハラスメントに思えてしまう無邪気さが満ち満ちたこの世界で、一体何を信じられるでしょう。もうすでに終わってしまった願いに気がつかないふりをしながら私たちは夢を見ているのでしょうか。 僕にはまだ心があるんだろうか そのような不安定さの中で生きざるを得ないわたしたちが私たちを思いやる最大限の配慮が、互いの存在を無に帰すことでした。そうして繰り返されてきた自分あるいは他者の無理解がこの世界に残してきた、今この瞬間にも誰かに刻まれている傷跡を、その深さを、私は想像しているのです。 どうしたらよろこびあえたんだろう 繋いだこの手を離す時には、僕はもう一つの手で、この、君の手を握りしめた僕の手の首を、切っていこう。君の感じた痛みを、僕が君に与えた痛みを、僕は忘れないように。 繋いだこの手を離す時には、私はもう一つの手で、この、あなたの手を握りしめた私の手の首を、切っていこうと思います。あなたの感じた痛みを、私があなたに与えた痛みを、私が忘れないように。 僕に心があるなら、僕はその心を、一体何に使ったんだろう あなたと出会えたことで私が少しだけ、少なくとも昨日よりも少しだけやさしくなれた気がしたのです。あなたがあなたの痛みを私に伝えてくれたことで、私は私の凌辱性に気がづくことができたからです。この感謝の気持ちを感じることが、お門違いであることを知りながら、心からあなたに深く跪き懺悔しながら、私は今日も別の誰かを傷つけてしまうかもしれません。 傷つけたくないのに あなたが感じた本当の痛みを理解する前に、私は死ぬのかもしれません。私はあなたにこのことを伝える立場でもなければ、関係性でもないでしょう。もうすでに、壊れてしまっているのですから。だからこの手紙は私の懺悔録なのです。この心臓に、私は呪いをかけたかったのです。 やさしいひとになりたい 下手くそな私は、失敗を繰り返しあなたたちを傷つけてきました。それでもなお、まだ諦めたくないのです。あなたが一瞬、私に向けたあなたの笑う顔を、私は思い出しているのです。 笑っていてほしかった あらゆる関係性が凌辱であり嘲笑であり、あるいは安い同情であり無関心であり、あらゆる出来事がなかったことにされていく忘れられていくこの世界で、これから出会う別のあなたに、私は今よりも少しだけ、少しだけでもやさしくなった私の姿で、あなたに出会いたいのです。 それが私の贖罪なのです 私があなたに与えた傷を私は決してなかったことにしません その傷は、痛みは、私が負うものです それが僕の贖罪 僕が君に残した傷を僕は決してなかったことにしない その傷は、痛みは、僕が負うものだ せめて、あの子が戻って来れるように、この音を届けさせてください 泣くことができないあの子に、 この歌を歌わせてください 僕が、いつの日か、君の知らない誰かに出会って、僕が僕にできなかったことが、僕が君にできなかったことが、できたらいいなって、思うんだ。僕が傷つけてしまった君からもらったやさしさを、君の強さを、君の何かを、僕は君の知らない誰かに、君が僕にくれたように、そっと分けてあげられたらって、思うんだ。そうして僕は、僕を許してあげたいって、思うんだ。 きっとこれからも弱いままで居続ける君が、僕を許さなかったとしても。 僕は君の弱さと、僕の弱さを、想像しているんだ
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